ワーキングメモリが低く、書字が苦手な子への指導

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今年に入って、スマホを買い換えました。

これまで7年ほど初代のiPhoneSEを使っていましたが、限界がきておりGooglePixelに買い替えたのでした・・・

まさに浦島太郎状態でまだ操作に慣れないのですが、文明の発展を感じます・・・

 

さて、ワーキングメモリが低く、書字が苦手な子への指導を行い、示唆に富むと感じたので、ここに書き表そうと思います。

ワーキングメモリはWISC(ウェクスラー式知能検査)において、測られます。

心理学上の言葉・概念であり、作動記憶とも呼ばれています。

 

すごく簡単に言うと、記憶をとどめて操作できるか、という力に関係します。また注意を向けることにも関係があります。

脳機能としては前頭前野の働きと言われています。

 

よく例に出されるのが、机の広さであり、作業をする机が広いと当然作業はしやすいのですが、狭い、つまりワーキングメモリが低いと物が下に落ちたり、整理されずに、作業が難しくなるのです。

 

難しい話はこのくらいにして、実際の指導内容について考えていきたいと思います。

 

読解が課題であった生徒に対して、まずは、文の量が少ない問題を独自に作りました。

実際には問題集見開き2ページ分なのですが、それを転記し、3行ほどでぶつ切りにし、それぞれのまとまりで聞ける内容の問いを一つのまとまりにつき、一つ作りました。

このようにすることにより、読む分量が少なく、すぐに問いがあるので、読んでいくうちに、あれ?何の話だったっけ?問いに戻った時に、どこを読めば答えが書いてあるんだろう?ということを防ぐことができます。

このようなスタイルの問題にして、本人もサクサクと取り組めるようになったようです。

 

ただ、まだ課題はありました。それは書字です。字を書くのが苦手なため、どうしても文字が枠からはみ出してしまったりします。その時は大きな枠を与えているだけでした。

 

まず、筆圧や鉛筆独自の書きにくさに配慮し、iPadにプリントのデータをアップロードし、iPadのペンで書くことにしました。これでも書きやすさは一つ克服できたようです。加えて、マス目を用意して、文字の大きさが一文字ずつおさまるようにしました。

本来は最初からやればよかったのですが、やっていくうちに気付くのも指導者としてはままにあるものです。

 

それだけでも一つ課題が配慮によってできるようにはなりましたが、その課題が終わったのちに、今度は同じ問題を鉛筆、紙でやってもらいました。直前でやった問題ですから、考えなくても答えが書けます。そう考えると意味があるのかな?とも思いましたが、実際にタブレットペン→鉛筆、という段階を経ることで自信を持ってしっかりと書くことができたようです。

ここの段階ではどちらかと言えば、読解よりも「書くこと」がねらいとなったのかな、と思いました。

 

最後に何の細工もない問題集の問題を解きましたが、少し触れている分、解きやすさ、頭への入りやすさはあったようです。

 

どうしたらいいだろう?と考えて、こちらも少しずつ支援の方法、配慮を変えていき、それが自然とスモールステップになっていったようにも思います。

 

指導者の気づき、成長とそれがもたらす教材の発展、それが生徒の指導に波及していく様は、全体を通して段階を踏む、スモールステップなのだと感じました。

 

最初からゴールまでの舗装された道を作れるのではなく、今、目の前の事象に対しての課題に取り組むことで次第に道は作られていくのかな、と思います。

まあ、そういうところもなんでも一足飛びにできない自分らしいな、と思います。

 

川下