寄り添うということ

こんにちは、乗附です。
今週はすっかり秋の気配になりましたね。

さて、最近、やる気について深く考える出来事がありました。

上の息子のお話です。

上の息子は、脳性麻痺と知的障害を併せ有するため、視線や手差し(指差しならぬ、腕全体や手で指し示します)、「ない!」「はい!」「いらない」「おーい」など短く言いやすい言葉でコミュニケーションをとっています。
そんな息子が、最近デイサービスのスタッフさんの名前を呼ぶようになりました。

スタッフさんも大喜びで、
「◯◯って呼んでみて〜」
「〜だよ!〜って呼んでね!」
とみんなから「名前を呼んでねコール」をされています。

「じぃー!いない」
「今日はイシイさん、いなかったんだね」
「イガラシさんが、いが?らっしー?しー?どの言い方だと、呼びやすいかな?って聞いてたよ」
「………おーい」
「なるほど、どれも言いにくいんだねー。それで『おーい』って呼ぶのか」
「はい」
「じゃあ、最近ママのことは『おーい』って呼んでるけどママって呼べるんだし、ママって呼んでよー」
…ニヤニヤ…

その晩寝る時に
「ママーママー」と呼んでくれました、笑
「なにー?」と言って、隣に行くと、
ニコニコしながら
「寝ない!」と言います、笑

名前が呼べるようになり、会話がもっと楽しくなりました。

かつてコミュニケーションの幅を広げるために、言葉カードを学習させようとして、断念したことがあります。今振り返ると、「できないからこそ、みんなに伝わる方法でコミュニケーションが取れるように頑張らないと!」と私自身が気張っていたのだと思います。

それは、息子のやりやすい方法を試行錯誤するのではなくて、周囲の大多数の方法に合わせるだけに過ぎませんでした。

今の息子は、誰でもいいわけでなく、「あの人に伝えたい」という気持ちが芽生え、ついでに言葉カードも「やってみたい」と興味をもつようになりました。

このやる気の源はなんだろう。

色々考えて1番思い当たったことは、息子の表現を汲み取ろうと関わり、思いを受け止めて、好きなことを探し、やりたい方向を手助けし、「大丈夫だよ」と励ましてくれる人たちに出会えた、ということです。

先生、デイのスタッフさん、作業療法士さん、マッサージの先生、ヘルパーさん。

そんな人たちに出会えた息子も私も幸せだなぁと思います。

そして、私自身もすたでぃあの生徒さんにとってそうあるように、日々精進せねばと思います。