2つの誤解のされやすさ~WISCの結果から~

自分自身は誤解されやすいタイプかな~と思ったりしますが、それは置いておいて、子ども達の話となります。

 

発達障害やグレーゾーンの子達は誤解されやすい子が多いです。それも大きく2つに分かれるのではないか、と思います。

WISCの検査結果を見ながら改めて思いました。

 

2つに分かれる誤解はすなわち

本当はできるのに、できないと思われる子

本当はできないのに、できると思われる子

この2つに集約されるかなと思います。

 

まず一つ目、本当はできるのに、できないと思われる子です。

例えば、言語理解や知覚推理が高い子がいます。このあたりは頭で考える力が影響します。しかしながら、ワーキングメモリや処理速度が低い。そうなると、例えば、うまく議論ができなかったり、書くことが遅くなったり、といったことが予想されます。しかしながら、実は頭の中では物事を考えたり、人の言ったことをしっかりと理解をしていたりするのです。しかし、アウトプットができずに時間がかかり、周囲からは時間切れでわかっていないね、と思われてしまう場合です。

字が書けないでも実はPCにすればできる子もいるわけで、インプットはできるけど、アウトプットが難しいため、できない、と思われてしまうのです。そういう子は「本当はわかっているのに・・・」という自分の気持ちも言語化するのが難しく、結局自分の中にその気持ちも閉じ込めてしまいがちです。

 

もう一つの場合、できないのにできると思われる子です。

こういった子はいわゆる空気が読める子に多いと思います。学校生活は空気を読むことの連続です。読むという意図的な行為をせずとも何となく、こう動くんだろうな、と思える力が学校生活の適応に不可欠です。

しかしながら、前者におけるものと比較すると、実は言語理解や知覚推理が低く、頭の中でわかっていないことがあっても、その場の感じで受け答えもしっかりとするな、と思っていたら全然わかっていないじゃないか、と周囲の大人が後でがっかりしてしまうパターンです。そういう感じであっても、できるはずだと、周囲が期待をかけてしまう可能性も高いです。

処理速度が高いと学校での教科書やファイルなどを選んだり、ノートをとったりができるので、先生の目から見ると、うん、よく言うことを聞いてできる子だ、と思われてしまうのです。しかし、その子の心の中では、「なんかよくわかんないけど、こうするといいんだよな~」という感じになるわけです。こういう子の場合は、実は無理をしているのに、そこに自分自身も気づけないていないところがあります。また周囲も気づきにくいため、スルッと様々な壁をすり抜けていってしまうのが逆に苦しめてしまうこともあるわけです。

 

できるのに、できないと思われること、できないのにできると思われること、どちらもその子を誤解していることになります。

 

人間はその人自身のありのままを認められて初めて、ああちょっとやってみようかな、と思えるものです。またそれまでの自分自身と周囲との関係の中での自己理解も欠かせません。

 

あと、自分自身のことを知る中で人間関係の「誤解を解く」というものがあります。これはちょっと観点が変わってくるのですが、また話せば長くなりますので、教室にどうぞ。